
真庭市北房地区でホタルの保護活動に取り組む「北房ホタル保存会」(平城元会長、会員16人)は、会の前身となる「ほたるを育てる会」の発足から50周年を記念し、これまでの活動や自然の素晴らしさ、ホタルの生態などをまとめたパネル9枚を制作した。
カルスト地形が広がり石灰岩が多く分布する北房地区西側は、川の浸食によって渓谷や鍾乳洞などを形成。地域を流れる備中川の水にはカルシウムが豊富に含まれ、ホタルのエサになるカワニナも多く生息している。
こうしたホタルの生育に適した環境が整っていた備中川流域には、昔からたくさんのホタルが飛び交っていたが、昭和30年頃には農薬の使用や乱獲などにより激減。34年には旧北房町がホタルを天然記念物に指定し、保護をスタートさせた。
今では、北房ほたる公園(真庭市下呰部)周辺にゲンジボタルやヘイケボタル、ヒメボタル、オバボタルの4種類が生息し、毎年、県内外から多くの人が訪れている。
1970年の発足から50周年を迎える今年、会では園内にあるホタル館の展示スペースのリニューアルを計画。以前からホタルに関する資料展示は行われていたが、説明文がないなど、ホタルについて十分に理解できる内容ではなかった。
会のメンバーは、旧北房町時代の広報誌などに残る写真や文章を集め、これまでの活動内容や記録を紹介。2年前から行っている川の水質調査の結果も掲載している。そのほか、北房ほたる公園周辺のシーズン中のホタル数と気温の変化をグラフ化したものや、乱舞の様子を記録した写真も展示している。
平城会長は「自然環境の整備やホタルを見守る活動など、これまでの地道な活動がわかる内容になっている。この地域には昼間でも豊かな生態系があり、夜に飛ぶホタル以外にもゆっくりと地域を散策してもらいたい」と話している。
パネルや写真は、12月25日㈮まで北房文化センターのエントランスに展示し、その後は北房ほたる公園の展示スペースに移設する。記念事業ではこの他に、園内の池に菖蒲の植え付けや、ほたる館に長イスの設置などを行う。
posted by 真庭タイムス at 00:00|
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