
通常の大根よりも2〜3度糖度が高くておいしい、蒜山地域特産の『蒜山こだわり大根』の出荷が、10月27日から始まった。8戸の農家が2・4fで栽培しており、11月中旬にかけて収穫が続く。
『こだわり大根』は大根が栄養分をしっかり吸収できるよう、畑には10e当たり2トン以上の堆肥を入れ、糖度の上がりやすい品種「冬自慢」を植える。
太陽の光を浴びて光合成した大根は、デンプンを作りながら生育し、霜が降りる頃から、寒さで凍らないようデンプンを糖に変える「寒締め」の特性を活かして、甘くみずみずしい、きめ細やかな大根になる。
苦みや辛みが少なく、梨のような触感が楽しめ、煮物などに最適という。
9月初旬に種まきした大根は、10月の好天に恵まれ順調に生育し、気温が5℃を下回った10月下旬には40pほどに成長。例年より5日ほど早い出荷を迎えた。今季約120dの出荷を予定している。
28日には蒜山三座を望む蒜山上長田の畑で、JA晴れの国岡山の担当者や生産者の代表が大根の初抜き式を開催。火山灰土壌の「黒ボク(黒ボコ)」と呼ばれる黒い土の畑から、ずっしりと重い大根を抜き取った。
直売所「きらめきの里」(真庭市中島)や県内のスーパーなどで販売される。
生産者の代表・JA晴れの国岡山大根部会協議会の井藤文仁部会長(62)は「今年もこだわり大根の季節がやってきた。土作りにこだわった、美味しい大根をおでんなどの煮込み料理で味わって欲しい」と話していた。